モデル3 RWDを購入してまもなく2年が経ち、走行距離も25000kmを超えてきました。テスラのバッテリーは8年保証ですので、保証期間の4分の1を経過した事になります。保証内容はこちら
どの程度劣化しているか確認してみたいと思います。また、前回1万キロ時点で確認した劣化状況からの変化にも着目していきたいと思います。
※ 電費や充電費用の考え方については、
「電費と充電費用の基本まとめ」で詳しく解説しています。
何を確認するか?
本ブログでは納車時の満充電航続可能距離を基準とし、それに対する減少割合をバッテリー劣化と呼ぶことにします。
航続可能距離はTeslaFiのBattery Degradation Reportの数値で判断します。

下図の「Battery Report」を確認しました。
TeslaFiのデータを確認!!
下図は、TeslaFiで出力したグラフです。横軸が総走行距離、縦軸が満充電時の航続距離です。

25,848km走行時点の航続距離は430.5kmでした!初期に少し右肩下がりですが、その後はほぼ横ばいですね。
納車時の後続距離は437km でしたので、1.5%劣化(航続距離が6.5km減少)したことになります。前回1万km時点の劣化率は2.0%でしたので若干改善している事になりますね!(実際は容量が増えたというよりは、SOC推定のばらつきだと思われます)
という事で2年、25000kmのバッテリー劣化は1.5%でした!実用上、この1.5%の劣化による不便を感じた事は一切ありませんでした。
LFPバッテリーって何?
LFPという名前を耳にする事が増えていると思いますが、一体何のこと?と感じる人も多いと思います。電気自動車と上手に付き合うために、知っておいて損は無いと思いますので紹介記事を記載します。
まず、テスラに搭載されているバッテリーは、LFPと三元系の2種類に分けられます。(テスラ以外の電気自動車も基本的にこの2種類に分類できると思います)
LFPはバッテリー内部の正極(カソード)に”リン酸鉄リチウム”を用いたバッテリーで、三元系と比較すると以下の特徴があります。
- 安価(ニッケルやコバルト等のレアメタルを使わない)
- エネエルギー密度が小さい(同じバッテリーサイズの場合、LFPの方が容量が小さい)
テスラのラインナップでいうと、モデル3及びモデルYのRWDタイプに搭載されています。いずれも、価格 及び 航続可能距離が小さい事から、その位置付けが伝わると思います。
これだけ見るとLFPは、安い低グレードバッテリーのように見えますが、実はメリットもあります。それは満充電での劣化が少ないという事です。
電気自動車の要であるバッテリーの劣化が少ないというのは安心感がありますよね!
実際三元系バッテリーが搭載されているモデル3ロングレンジは、劣化抑制のため80%充電が推奨されています。一方でLFPは100%推奨です。
この三元系の80%運用を前提にすると、LFPのRWDと三元系のロングレンジの航続距離はほぼ差がなくなるのです。
RWDモデル(RWD)=430km、ロングレンジ(三元系)=530km*0.8=424km
満充電の劣化が少ないという事が、実運用の航続距離にも効いてくるんですね!
これらを鑑みると、LFPは単なる安価な低グレードバッテリーでは無いと言えそうですね!(テスラのラインナップで比較すると)
LFPバッテリーは「なぜ100%充電が推奨されるのか」
テスラの説明によるとLFPバッテリーは週1回程度 100%まで充電する事を推奨されています。
なぜかというと、LFPの100%充電は「計測・制御上の必須条件」なのです。
LFPの最大の特徴は「電圧が変わらない」こと
LFPバッテリーは、SOC(残量)に対する電圧カーブが極端にフラットなのです。
- 20%でも
- 50%でも
- 80%でも
ほぼ同じ電圧を示します。
これは安全性・耐久性の面では大きなメリットですが、
SOC(残量)を推定するという点では致命的な弱点になります。電圧を見ただけでは、SOCが正しく推定出来ないのです。
SOCはどうやって表示されているのか?
EVのSOC表示は、基本的に次の2つの方法で推定しています。
- 電圧を見る方法
- 電流を積算する方法(クーロンカウント)
三元系バッテリーの場合
- 電圧がSOCに応じてなだらかに変化 → 電圧を見るだけで残量が分かる
LFPバッテリーの場合
- 電圧がほぼ一定 → 電圧では残量が分からない
そのためLFPでは、
「前回のSOCから、どれだけ電気を使ったか」
という 電流積算(クーロンカウント) が主役になります。
では、なぜ100%充電が必要なのか?
クーロンカウントの弱点
電流積算は非常に優秀ですが、ひとつ問題があります。
👉 少しずつズレる
- 電流センサー誤差
- 温度変化
- 経年劣化
これらが積み重なると、
- 実際は余裕があるのに「0%表示」
- 航続距離表示が不安定
といった現象が起きます。
LFPで「唯一SOCが分かる瞬間」
それが 満充電付近(100%) です。
LFPは:
- 90%までは電圧が変わらない
- 100%付近でだけ電圧が一気に立ち上がる
この瞬間だけ、
「今は間違いなく満充電」
という 絶対基準点 が得られます。100%充電の技術的役割
LFPの100%充電は、次の2つを同時に行っています。
① SOCの再校正(ゼロ点合わせ)
- クーロンカウントのズレをリセット
- SOC表示を現実に引き戻す
② セルバランス
- セル間電圧差が最も見えるのが満充電付近
- このタイミングで均等化を行う
👉 どちらも100%でしか成立しない
という事で、正しく容量を算出するために100%充電が必要!という事ですね。
100%充電を何回したか?
今まで100%充電を何回したかTeslaFiの1年7ヶ月分のデータで確認してみました!

1年7ヶ月で110回、100%充電をしています。計算すると1週間に1回100%充電したことになります。
個人的には、充電による劣化に強いと言われていても劣化はゼロでは無いはず、100%充電を週1で続けると劣化するのでは?と考えていましたが、25000km時点の劣化を鑑みると劣化の心配は必要は無いと考えます。
まとめ
- 2年、25000kmのバッテリー劣化は1.5%
- LFPバッテリーは、週一100%充電でも劣化は気にする必要なし
以上、バッテリーレポートに関する記事でした。ここまで読み進めていただきありがとうございました。


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